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コンクリートの鉄筋の腐食

鉄筋腐食

 コンクリート中にはセメントと水の水和反応に使われない余剰水(細孔溶液)が存在しており、空気中の二酸化炭素などにより中性化していなければ細孔溶液は一般にpH=12以上の高いアルカリ性を示します。
このような高アルカリ環境では鋼材は不動態化しており非常に腐食しにくい状態です。
この不働態のメカニズムは明確ではないが、鋼材表面に酸素が化学吸着し、更に緻密な酸化物層が生じることによって厚さ3mm程度の不働態皮膜が形成されると説明されるのが一般的です。

 潜伏期は鋼材表面における塩化物イオン濃度が腐食の発生に必要な濃度に達するまでの期間であり、鋼材表面に上述のような不働態皮膜が形成されている期間に相当します。塩化物イオン濃度が腐食の発生に必要な濃度に達すると不働態皮膜が破壊されます。

 鉄筋が腐食すると鋼材が体積膨張し、腐食膨張圧によって、かぶりコンクリートにひび割れが発生します。

 発生したひび割れから酸素、水、二酸化炭素または塩化物イオンが浸入し、鉄筋腐食を助長させ、かぶりコンクリートの剥離、剥落に至ります。

 鉄筋コンクリートの応力の負担は、基本的にはコンクリートが圧縮応力を、鋼材が引張り応力を受けもつが、鋼材の腐食が進行すると断面積が小さくなり、受けもつべき荷重を負担できなくなります。

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