「遊離石灰」と「エフロレッセンス」、コンクリートに携わる方はよく耳にする単語だと思います。
そしてこの二つの単語はコンクリート構造物の表面に白い成分が析出すること、という同じ意味合いとして使われていることが多いです。
しかし厳密に言えばそれは誤りです。
まずは「遊離石灰」と「エフロレッセンス」の意味の違いから説明します。
【遊離石灰】
遊離石灰は析出した成分そのものを指します。コンクリートは水和反応により水酸化カルシウムCa(OH)₂となり硬化します。しかし水和反応を起こさずにコンクリート中に残ってしまう酸化カルシウムCaOなどの成分を遊離石灰と言います。
そのため遊離石灰はコンクリート表面に析出しなくてもコンクリート内部に存在していることになり、「遊離石灰が起こる」は誤った表現となります。
【エフロレッセンス】
エフロレッセンスはコンクリート表面に析出する現象のことを指します。
そのため「エフロレッセンスによって遊離石灰など成分が析出する」は正しい表現となります。
ここから先はエフロレッセンスという現象について詳しく説明します。